マット・バーンズ
MAN OF LEXANI #6
1980年生まれ カリフォルニア州サンタクララ出身のプロバスケットボールプレイヤー。
NBAロスアンゼルス・クリッパーズ所属のスモールフォワード。身長201cm。妻と2人の子供がいるが、今年の春、この超美人奥さん(TVショウの司会者 グロリア・ゴバン)がボディガードとキスしている写真が流出した。
Matt Barnes
全身タトゥーに込められた気迫と執念
北カリフォルニア出身で、2002年からNBAのキャリアをスタートさせ、2010年にレイカーズへやってきた。2012年シーズンからクリッパーズへ移籍して、3シーズン目となる2014-15シーズンの開幕目前の今日もチームロースターにトップで名前は出ている。
1980年生まれの34歳。NBA選手としてのピークはとうに過ぎているが、ベンチスタートのプレイヤーとして、12年間、文字通り体を張ってプレーしてきた。生まれは北カリフォルニアのサンタクララ、大学はUCLA。学生時代はフットボールプレイヤーしても優秀な成績を残してきた。
2002年にNBAドラフトの全体46位(2順目)でグリズリーズから指名されてすぐにキャブスにトレードされたが、シーズン開始目前の10月にロースターからカットされてマイナーリーグからキャリアスタート。ここからクリッパーズ→キングス→76ers→ニックス…と、フランチャイズプレイヤーとしては大切にされないジャーニーマンとしてのキャリアがスタートする。
全身に入るタトゥーにはいろいろな思いが彫られていて、そのうちF.T.H (Fuck The Haters=ファック・ザ・ヘイターズ)は「オレのことを嫌うヤツはクソだ」という意味で、ドラフトの後、結局Dリーグへ移籍した際に彫ったのだという。皆が「お前にNBAなんか無理だ」と言われたことに対するアンサーなのだそうだ。
ウォリアーズで爆発!
全身タトゥーでコワモテ、乱闘の常連(メッタ・ワールドピースことロン・アーテストの次にヤバイ)というほかは、出場時間10分程度という「良くいるシックスマン」だったマット・バーンズのキャリアに転機が訪れたのは2006-2007年シーズンのプレーオフだ。
長いこと、ドアマットチームだったウォリーズはこのシーズン、12年ぶりとなるプレーオフにぎりぎりの8位で滑り込む。プレーオフ1回戦はカンファレンス1位のダラス・マーベリックス。マブスは歴代6位タイの勝率で圧倒的なカンファレンス首位だった。そのマブスをウォリアーズは4勝2敗で下してしまう。第8シードが第1シードを下すのは史上3度目。プレーオフがゲーム制になってからは初という大快挙だ。
バーンズはその快挙の重要メンバーだったのだ。
このときのウォリアーズでもバーンズはベンチスタートだったが、要所で決める3ポイントシュートと、マッチアップした相手をいらだたせるしつこいディフェンスという持ち味は一躍クローズアップされて、出場時間はそれまでの約3倍になり、バーンズはシーズンオフの選手移籍市場のカードとなった。
トラブルメーカー?
さて、バーンズと言えば、全身に入れたタトゥーがトレードマークで、ユニフォームから出た腕にはいろいろなメッセージが入っている。それは誰かにみせるため、というよりは苦労人のジャーニーマンとして生きてきた選手らしく、自分を鼓舞するセリフが多いように見える。そして、いかつい見た目を裏切ることなく、コートでのふるまいもファイティングスピリットあふれるものだ。ウォリアーズの時もジェイソン・テリー(当時マブス)とやりあっていたし、移籍後のサンズでも、マジックでも、レイカーズでも小競り合いはしょっちゅうおこっていた。
もっとも最近の騒ぎは昨年11月の退場とその後のツイッターでの騒動だ。
動画を見る限り、これはイバカ(OKC)とグリフィン(LAC)の間の小競り合いであって、そこにスクリーンアウトの相手すらいないバーンズが勝手につっかかっていっている。おまけに、「罰金を科されるのに体をはるなんてゴメンだね」などとツィートしてしまい、リーグはこのことをモンダイにした。バーンズはのちに謝罪したが、協会は2万5000ドルの罰金を課した。
ケガを恐れず、ゴール下へ飛び込むチームプレーヤー
そんなトラブルメーカーであるにもかかわらず、ケガで出場できない期間を除けば、バーンズの出場時間はウォリアーズでの大活躍以来、どこのチームでも減っていない。ちなみに、昨シーズンのスタッツは1試合平均9.9ポイント、2.0アシスト、4.6リバウンド。出場時間が増えたウォリアーズ時代からの7年間はずっとこんな感じだ。スターターのセンターかパワーフォワードが要求されるのが1試合10リバウンド程度だから、ベンチスタートのスモールフォワードが1試合平均4.6リバウンドというのには大きな意味がある。
要するに、ケガを恐れずゴール下へ突っ込んでいく、ということなのだ。実際のところ、バーンズはオフェンスでもカットインしてシュートというスタイルは得意なのだけれど、やはり本領はゴール下ディフェンス。201cmはNBAではアベレージサイズの選手で、ガードでもこの程度のサイズはごろごろいる。ついでに言うと、バーンズぐらいの運動能力の持ち主もざらにいる。
スクリーンアウトではレスリングなみのポジションどりをし、ルーズボールに飛べばひじ打ちの応酬、相手を突き飛ばしてでもリバウンドに行く…その姿勢がなければベンチスタートの201cmが4.6リバウンドのスタッツは残せないのだ。結果として、バーンズは故障の多い選手としてキャリアを積み重ねてきた。レイカーズを去った2011年シーズンも半月板を損傷して手術している。
キワどい綱渡りのような選手人生なのだけれど、Dリーグから這い上がってきてから12年間、このスタイルでNBAプレイヤーとしてサバイブしてきた。というより、こうするほかに夢を現実のものとする手だてはなかったというのがリアルなところなのだろう。
※ ※ ※
クリッパーズは、昨シーズンのプレーオフ時期にオーナーのドナルド・スターリングが人種差別発言(愛人に「オレのチームの試合に黒人をつれてくるな」と言った。ユダヤ系白人のスターリングは確信犯の人種差別主義者で、このテのハナシは何年も前からある)をして、リーグを永久追放になり、今シーズンはチームを買った別オーナーの元でのスタートとなる。2014-15の今シーズンをクリッパーズで過ごすことができれば、ジャーニーマンのバーンズにとってはキャリアで初の同一チームでの3シーズンだ。今シーズンの開幕は10月30日、相手は昨年、バーンズが退場&罰金を食らった因縁のオクラホマシティ・サンダーだ。突き飛ばした相手=サージ・イバカも今シーズンはサンダーに残っている。
(藤 研二)
http://www.nba.com/playerfile/matt_barnes/
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